人懐こい、馴れ馴れしい

私の知人の話です。
彼女のことは若い時から知ってるんですが、明るくて賑やかで人懐こくて、交友関係も広い人だったんですね。

社交的でかわいいタイプなのでどこへ行っても可愛がられるのは、天性の才能だと思っていましたし、人見知りの私はうらやましかったです。

彼女とは30年以上の付き合いがありましたが、実は最後の数年はすごく違和感がありました。

それは、知り合って間もない人との距離感でした。

若い時からいろんなことに興味があった彼女は、あちこちのコミュニティに顔を出していました。

だから初めましての人と出会う機会が多かったんです。

若い時はその距離感の詰め方が多少強引でも、早く仲良くなりたいのかなとか、彼女のユーモアと捉えていたんです。

彼女の明るいキャラクターや物怖じしないところを嫌う人は私が知る限りはいなかったですしね。

でもそれは若さという未熟な部分が可愛かったから許されていたことだと思います。

だけど彼女はそのまま歳を重ね40代を迎えて、かつてかわいいと思っていた距離感の取り方は、だんだん馴れ馴れしく図々しくなってきました。

他人のプライベートに立ち入ることがはばかられる時代になったからそう見えるということを抜きにしても、初めて会う人にそんなこと聞くの?と言いたくなるくらい、相手の気持ちをこじ開けようとする感じがして、そばで話を聞くだけで不愉快でした。

相手によってはそんな彼女をおもしろい人として受け入れる人もいたようですが、引く人は引きますし離れていきます。

そんな中でも私がいやだったのは、肩書きの格好良さやセレブだと知ると、取り入って恩恵を受けようとしたり、すごい人と知り合いになったというマウントをとるようになったことでした。

そして常に自分が得することを期待しているので、

「じゃああなたは相手に何をしてあげられるの?」と聞いたら

「盛り上げて楽しませてあげる」

と言うのです。

多分真剣に、自分が受けたい恩恵と、相手を楽しませてあげることが同等の価値があると信じている発言でしたが、私には理解が追いつきませんでした。

「なんだかずいぶん相手を下に見ていないかい?」

そんなふうに見えたんです。

でも彼女にしてみたら、いろいろ聞き出すのも、おもしろいと思わせることも自分の得意とするところですから、絶対の自信があるんですよね。

そしてそれを喜ぶ人も少なからずいましたから、お互いウィンウィンなら私が口を挟むことではありません。

ただ、彼女が人のふんどしで相撲を取るような人になってしまったことは、今後のお付き合いを考えるきっかけになりました。

彼女とは長いお付き合いでしたし楽しいこともたくさんありましたが、これ以上一緒にいたくなくなったので決別することにしました。

一緒にいて気分が悪くなる人は必要ありません。

もちろんそれはお互いさまの話です。

私だって誰かの気分を悪くさせたこともあるでしょう。

それで離れて行った人もいたでしょうし、それでよかったのではないかと思います。

一緒にいる意味がなくなったなら、しがみつく必要はないですからね。

付き合いの長さは関係ありませんし、相手がどう思うかは相手の勝手です。

自分がどうしたいかの意識は明確にしておくと、情けに流されることなく判断できます。

冷たく聞こえるかもしれませんが、自分を大切にするというのはそういうことです。

「今までありがとうね、元気でね」

と感謝して別の道を進んだらいいと思います。

距離感のおかしな人には気をつけろという学びにもなりましたからね。

私にとっては死ぬまで活かせる経験となったお話でした。

見直したいお付き合いがある人は、その人といる時の自分が好きかや、気分がどうかで判断してみたら、後悔はないと思います。

それではまた☺︎

mako

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